毎週日曜日の夜は“性別の垣根を超える腕時計”と題し、昨今のトレンドになっている小振りな腕時計や男女関係なく使えるユニセックスモデルを中心に、男性でも着けられそうな中性的デザインのレディースモデルや、女性にもおすすめのメンズモデルをテーマに記事配信を行っている。
今回はその番外編“世代の垣根を超える腕時計”と題し、早期教育とも絡めた別の観点で記事をお届けする。
スマートウオッチをはじめとしたデジタルデバイスが充実し、かつてよりデジタル表示の時計を目にする機会が増えている昨今。一方で、身近だったはずのアナログ時計と向き合う機会が激減し、時計の読み方を学ぶ子どもたちに大きな影響を与えている。時計の読み方や時間の感覚の習得には、デジタル時計ではなく、アナログ時計の理解が必要不可欠だからだ。

最近のスマートウオッチにはデジタル・アナログ時計両方を表示できるものも少なくない。デジタル機器においても、こういった機能を上手く使いこなせれば理想的だ
皆さまは小学校低学年で学習する算数の“時計”単元に苦労した覚えはないだろうか。ひょっとすると、現在まさにお子さんが時計の学習中で、苦戦しているというご家庭の方もいらっしゃるかもしれない。
時計の学習、とりわけ小学2〜3年生で習う「時間の単位」や「時刻と時間」の単元は、小学校低学年の算数におけるひとつの“つまづきポイント”として挙げられる。筆者は過去に学習塾に勤務し、実際に小学生低学年の時計の単元を担当していたこともあるのだが、児童ごとの理解度に大きな差が見られる事例は非常に多かった。

“時刻の読み取り”にはそれほど苦労しないケースが多い/画像◎写真AC
具体的には、上の画像のように単純に“◯時◯◯分”と時刻を読み取ることはできるのだが、時間の計算や時・分・秒の単位変換が絡んでくると一筋縄ではいかなくなるケースは本当に多い(※その意味では、厳密には「時計が読めない」というよりは『時間の計算や単位変換が苦手』というほうが正しいだろう)。
このあたりに関しては子どもの抽象的思考力の類いの差もあるのだが、幼少期からアナログ時計に触れ合ってきた体験に乏しく、“時計そのもの”に慣れていないことが根本的な要因のひとつなのだ。
総じて幼児期からアナログ時計と触れ合うことで“数や時間の感覚”が本能的に身に付き、以降の学習に生かせるというメリットは非常に大きい。デジタル表示でも時刻はわかるが、円グラフのようなイメージや針の角度といったカタチで時間の量が把握できるというアナログ表示の性質が、早期教育に効果的なのである。
その意味で“幼児期からのアナログ腕時計”は非常に理にかなっている。最初は子ども自身が好むデザインや色のものなど、あくまでおもちゃのひとつとして選ぶのもいいだろう。日々の生活のなかで徐々に道具としての時計の役割や読み方、時間の概念を上手く子どもに伝えていければ理想的だ。
ただ、腕時計への興味・関心がまったく見られない場合や腕時計の着用に抵抗感をもつ様子であれば、アナログ掛け時計への意識だけに留めておくのがいいだろう(時計が嫌いになってしまったら元も子もない話である)。いずれにせよ、「単に早い時期から時計の勉強に取り組む」という視点ではなく、『早い時期から生活のなかで時計と親しむ』という考え方を強調しておきたい。
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次ページでは、ポップなデザインと高い視認性を兼ね備えた子どもにおすすめなアナログ腕時計をいくつかピックアップしてみた。なかには親子で使えそうなものや、大人の遊び時計としても使えそうなものあるため、合わせてチェックしていただけたら幸いである。
【画像】親子でおそろいも! 子どもにおすすめの腕時計を見比べる
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文◎市村 信太郎

音楽・教育業界を経て編集職に。時計やメイク、ファッションなどあらゆるものをジェンダーレスに楽しむ。レディース・メンズの垣根を無くしたスタイルの実現を目指すとともに、それを体現する存在になるべく奮闘中。