アンティーク時計専門サイト「LowBEAT Marketplace」には、日々、提携する時計ショップの最新入荷情報が更新されている。
そのなかから編集部が注目するモデルの情報をお届けしよう。
IWC
ラウンド
今回紹介するのは、1940年代にIWCが製造した“ハーメット”ウォータープルーフモデルだ。一見すると、ドレスウオッチとも思えるファンシーラグを備えるが、ハーメットと呼ばれる気密性の高い防水ケースを採用している。そのおかげか、ムーヴメント全体にサビや腐食は見られず、非常に良好なコンディションを保っている。

【写真の時計】IWC。SS(32mm径)。手巻き(Cal.83)。38万5000円。取り扱い店/プライベートアイズ
ムーヴメントにはIWCの名機として語られる手巻きのCal.83を搭載。
細かく分割された流線形の受け板の表面には、コート・ド・ジュネーブ仕上げが施されており、かつて同社が生産していた大振りな懐中時計を思わせるような美しさだ。また、この個体ではテンプの軸を衝撃から保護する耐衝撃装置“インカブロック”が採用されており、実用性にも優れた仕様となっている点は見逃せない。巻き上げヒゲゼンマイや香箱受けの下に角穴車を配置した設計などから、ハイグレードなムーヴメントとして製造されたことがうかがえる。
また、この個体のように、経年によって濃いブラウンカラーに変化した黒文字盤は、トロピカルダイアルとも呼ばれている。そのなかでも、文字盤全体が均一に変色したものは希少であり、同じ色や模様の物が存在しないという理由から、多くの時計愛好家に好まれている。
風合いある経年変化や高い実用性など、普段使いできるアンティークウオッチとしておすすめできる1本だ。
【LowBEAT MarketplaceでIWCの時計を探す】
文◎LowBEAT編集部/画像◎プライベートアイズ