LowBEAT magazine 最新入荷情報

【まるでレーシングカーのようなライン入りの文字盤が特徴的】1960年代に誕生した本格防水スポーツウオッチに注目

アンティーク時計専門サイト「LowBEAT Marketplace」には、日々、提携する時計ショップの最新入荷情報が更新されている。
そのなかから編集部が注目するモデルの情報をお届けしよう。


ティソ
T12 デイデイト

今回紹介するのは、1960年代後半に製造されたとされるティソ T12 デイデイトだ。

この時計を見た際に、まず目につくのが、深いブルーの文字盤中央部分に引かれたシルバーのラインだろう。3時から9時位置をつなぐライン上には、デイデイト表示とメーカロゴが配置されており、幾何学的なレイアウトが同時代の自動車に採用されていたダッシュボードを思わせる。深みのあるブルーに赤字の“T12”がよく映える、スポーティーなデザインが個性的だ。また、ロゴやカレンダー表示を直線上に配置することで視認性を向上させる工夫もこのモデルならではの魅力と言えるだろう。

【写真の時計】ティソ T12デイデイト。Ref.46642。SS(37mmサイズ)。自動巻き(Cal.794)。1960年代製。18万8000円。取り扱い店/WatchTender 銀座

【画像:文字盤の模様やムーヴメントの状態を見る(全6枚)

37mmサイズの武骨なSS製ケースにはスクリューバック式の裏ブタが採用されており、太いパッキンと合わせることで高い防水性を実現していたようだ。それを示すかのように、裏ブタには帆船のマークが刻まれている。径が大きく、がっしりとしたリューズもこの時計の力強さを強調しているポイントである。また、3連式のブレスレットには、時計愛好家のなかでも高い評価を受けているゲイ・フレアー社製の純正品が採用されている。ティソの旧ロゴが刻まれたバックルにも注目だ。

ムーヴメントには同年代のティソに数多く採用された実績のある自動巻きのCal.794を搭載。手巻きムーヴメントをベースにした古典的な設計だが、成熟された技術を多用しているため、現在でも安定した性能を実現している。自動巻きだけでなく手巻き式の派生型ムーヴメントも数多く存在し、振動数の異なる輪列パーツを除けば、部品の互換性が高いのも特徴的だ。ロービートながらも安定した精度を実現し、スイッチングロッカー式を採用した高い巻き上げ効率を誇っている。

文字盤やムーヴメントに注目すると、目立った変色や腐食は見られず良好なコンディションを維持している。

華美な装飾を取り払い、実用性に特化したムーヴメントの設計思想は、日常に寄り添う道具としての誠実さを感じさせる。実用性とアンティークらしいユニークなデザインを両立したこの時計は、メジャーブランドを所有する人にも手に取ってもらいたい逸品だ。

 

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文◎LowBEAT編集部/画像◎WatchTender 銀座

 

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