LowBEAT magazine 最新入荷情報

【GMT機能も搭載した手巻きクロノグラフ!】スイスの名門が手掛けたスポーツ系クロノグラフ

アンティーク時計専門サイト「LowBEAT Marketplace」には、日々、提携する時計ショップの最新入荷情報が更新されている。
そのなかから編集部が注目するモデルの情報をお届けしよう。


エニカ
ジェットグラフ

今回紹介するのは1960年代に製造された、エニカ ジェットグラフだ。

エニカは1854年にスイスのレングナウでラシン家によって創設され、1930年代には高精度の懐中時計メーカーとして名を馳せていた。このブランド名はラシン(RACINE)を逆から呼んだエニカ(ENICAR)からとったとされている。その後、ヨーロッパ各国の鉄道用時計に採用されたことでさらにその名を知られることとなったのだ。また30年代には防水ケースや自動巻きムーヴメントをいち早く実用化しており、第2次世界大戦中には軍用時計の供給も行っていた歴史をもつブランドなのだ。

【写真の時計】Ref.072-02-02-A。SS(40mm径)。手巻き(Cal.バルジュー724)。1960年代製。189万円。取り扱い店/黒船時計古酒店

【画像:ブレスレットの造形やムーヴメントの状態を見る(全5枚)

 

そして今回紹介する個体“ジェットグラフ”は、その名が示すとおり、パイロットや航空会社に勤務する人など、世界中を飛び回る人をターゲットとした製品であった。三つのインダイアルを備えたクロノグラフに、24時間表示のGMT針とベゼルが追加されている点が特徴だ。
加えて、高い防水性能を誇ったコンプレッサーケースの製造元として有名なEPSA社製のケースを採用しており、14角形のスクリューバック式裏ブタによって、当時のクロノグラフとしては優れた防水性を実現していた。

デザイン面では、黒文字盤に白いインダイアルを組み合わせた、いわゆる“逆パンダ”ダイアルが特徴的。そこにチェッカー柄のGMT針や色分けされたベゼルのアクセントが加わり、スポーティでありながら視認性にも優れた表情を演出している。

ムーヴメントには手巻き式クロノグラフの名作、バルジューCal.72に24時間針を追加した、派生型であるCal.724を搭載。防水性の高いケースに納められていたおかげか、目立ったサビや腐食は見られず、非常に良好な状態を保っている。スポーティな外装とは裏腹に、繊細なレバー類やキャリングアームが美しいムーヴメントだ。

さらに、6角形のコマが特徴的な純正のブレスレットも付属しており、目立った傷みや変形も見られない。アンティークモデルとしては貴重なフルオリジナルの魅力を、余すところなく楽しめる1本となっている。

 

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文◎LowBEAT編集部

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