Vratislavia Conceptum(ヴラティスラヴィア・コンセプタム)は、2012年にポーランド西部の街、ヴロツワフでマーシン・クラコフスキーによって設立されたポーランド発、日本未上陸のマイクロウオッチブランドである。
幼少期から時計収集家であったマーシンは、理想とする時計を手頃な価格で見つけることが難しかったこと、そして時計への情熱からブランドを立ち上げた。
ヴラティスラヴィアでは、すべての時計を「携帯できる小さな芸術作品」と捉え、シンボルであり記念品でもある存在として位置付けている。
マーシンは市場のトレンドに流されることなく、自身の感性に従うことを信条としており、彼が関心を抱いている歴史、美術、建築などの要素が、時計デザインに色濃く反映されているそうだ。
ヴラティスラヴィアの時計は、ポーランド国内および海外の専門サプライヤーから部品調達を行い、設計、組み立て、品質検査はポーランドのヴロツワフでで行われている。今回は、ヴラティスラヴィア・コンセプタムのコレクションから、二つのモデルを紹介する。
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Vratislavia Conceptum(ヴラティスラヴィア・コンセプタム)
13 エスカドラ オートマティック
1918年の独立を回復した第2ポーランド共和国空軍からデザインインスピレーションを得た、アヴィエーション・ウォッチ。文字盤デザインは、当時の多くのドイツおよびオーストリア製航空機に使用されていた燃料計、ベンツィン・ウーア(Benzin-Uhr)から着想を得ている。
ベンツィン・ウーアはコックピットの中央ないし機関銃の間に配置され、パイロットが戦闘や偵察任務を遂行する際に燃料レベルを常時確認できるよう設計されていた。当時の第2ポーランド共和国空軍が鹵獲(ろかく)した装備として、発展に大きな影響を与えたそうだ。
ブラックダイアルにアンティークウオッチを想起させるオールドラジウムカラーのスーパールミノバを塗布したインデックスが特徴で、針の形状は当時の航空機の翼の表現している。文字盤のレトロなインテックスは、20年代の看板、広告、ポスターに採用されたフォントをモチーフにしている。
ケースは直径40mm、厚さ10.2mmのステンレススチールケースを採用。サファイアクリスタル風防、ねじ込み式リューズが装備されており、100m防水を備えている。
ムーヴメントはミヨタの自動巻きキャリバー、9039が搭載され、手縫いのブラウンヨーロピアンレザーベルトが付属。100本限定となっており販売価格は付加価値税込みで、1600 ポーランドズウォティ(日本円で約6万6000円)である。
Vratislavia Conceptum(ヴラティスラヴィア・コンセプタム)
ヘリテージ・クロノ S.19
次に紹介する、ヘリテージ・クロノ S.19は、1990年代のスポーツカーから着想を得たタイムレスなデザインのクロノグラフだ。
シンプルな幾何学的ラインとレトロカラーが特徴で、視覚的な魅力に加えて、タキメーター、クロノグラフ、デイト表示など機能性も兼ね備える。
スタンプ加工のメタルダイアルにはスーパールミノバが塗布されており、ベージュ・グレー・ブラックの配色が90年代のムードを演出する。ケース上にはナックル加工を施したブラックの回転ベゼルが装着され、グリップ性能を高めている。
ケースは直径42mm、厚さ12mmのステンレススチール製で、サファイアクリスタル風防、100m防水を備えている。
ムーヴメントはミヨタのクォーツムーヴメント、6S21を搭載し、ホワイトステッチが施されたブラックのベンチレーテッド“ラリー”レザーベルトが付属する。100本限定となっており販売価格は付加価値税込みで、1350 ポーランドズウォティ(日本円で約5万6000円)である。
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》Vratislavia Conceptum(ヴラティスラヴィア・コンセプタム)
公式サイト
https://vratislavia-watches.com
文◎William Hunnicutt
時計ブランド、アクセサリーブランドの輸入代理店を務めるスフィアブランディング代表。インポーターとして独自のセレクトで、ハマる人にはハマるプロダクトを日本に展開するほか、音楽をテーマにしたアパレルブランド、STEREO8のプロデューサーも務める。家ではネコのゴハン担当でもある。
https://www.instagram.com/spherebranding/
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