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まるで80年代のル・マン参戦マシン?【手巻きクロノグラフの名機Cal.861を搭載】ドイツ限定で販売された艶消し仕上げのオメガ スピードマスターに注目

アンティーク時計専門サイト「LowBEAT Marketplace」には、日々、提携する時計ショップの最新入荷情報が更新されている。
そのなかから編集部が注目するモデルの情報をお届けしよう。


オメガ
スピードマスター ドイツ限定

今回紹介するのは、1982年から85年までのわずか4年間、ドイツ限定で販売されたオメガのスピードマスターだ。そのなかでも本個体は、製造期間の後半にあたる84年製となる。海外市場では、“ドイツの”、“ゲルマンの”という意味を持つ“Teutonic(チュートニック)”の通称でも知られるモデルだ。もっとも、国内では“ドイツ限定モデル”という呼称で十分に通じるため、この通称はそれほど一般的ではないのが実情だ。

ステンレススチール製のケース本体やケース一体型ブレスレットには全面に艶消し仕上げが施され、チタンを思わせる独特の質感を備えている。曲線的なツイストラグを採用していた従来のスピードマスターとは毛色の異なるデザインだが、流線形で腕に沿うケースフォルムがスポーティさを強調し、スポーツクロノグラフとして誕生した同シリーズの血統を色濃く感じさせる。

【写真の時計】オメガ スピードマスター。Ref.145.0040。SS(42mm径)。手巻き(Cal.861)。1984年製。48万8000円。取り扱い店/ジャックロード

【画像:ケース全体の状態や純正のブレスレットを見る(全6枚)

登場は本作より数年後になるが、そのフォルムや色味は、1989年のル・マン24時間レースで総合優勝を果たした、シルバーアローのカラーを纏うザウバー・メルセデス C9を想起させる。もちろん本作のほうが先に登場しているため直接的な関連はないが、どことなく造形が似ているのは、80年代のヨーロッパを席巻していた工業デザインの影響が大きいのではないかと感じさせる。

コンディションとしては全体に小キズが見られ、やや使用感はあるものの、全面マット仕上げゆえにそれらは目立ちにくい。文字盤は本来シルバーグレー系の色味だったと推察されるが、経年によって均一に焼けが生じ、現在はベージュトーンへと変化している。

オリジナルの色調を保った個体であれば、ドイツ市場向けらしい実直で硬派な印象が際立つモデルだが、本個体はエイジングによってどこか温かみを帯びた柔らかな表情を獲得している。

近未来的な外装デザインとは裏腹に、ムーヴメントにはクロノグラフの動作制御にカム式を採用した手巻きのCal.861を搭載。本ムーヴメントは、オメガの名機“Cal.321”を生み出した天才設計者アルバート・ピゲが設計を手掛けており、Cal.321の設計思想を踏襲しつつも、クロノグラフ機構の構造を簡素化することで、メンテナンス性と生産性を高めていた。

従来のスピードマスターとは一線を画す、ミニマルかつ硬派な佇まいを持つドイツ限定スピードマスター。その異色の存在感に、あらためて注目したい。

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文◎LowBEAT編集部/画像◎ジャックロード

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