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【一見するとミニマルだけど実力は本格派】1970年代製のパテック フィリップゴールデンエリプスの完成度に迫る

アンティーク時計専門サイト「LowBEAT Marketplace」には、日々、提携する時計ショップの最新入荷情報が更新されている。
そのなかから編集部が注目するモデルの情報をお届けしよう。


パテック フィリップ
ゴールデンエリプス

今回取り上げるのは、1970年代に製造されたパテック フィリップのゴールデンエリプスだ。
同シリーズは、人間が最も美しいと感じるとされる黄金比(1:1.618)に基づいたオーバル形のケースデザインを採用している点が特徴的だが、本個体はクッション形に近い形状が採用されている。

ケースの加工技術が現代ほど発達していなかった60〜70年代において、オーバルやクッション形のケースを製造するのは困難であったとされている。それに加え、風防には当時としては先進的な素材であるサファイアガラスを採用しており、ケース形状と相まって、かなり高い技術力が求められていたことがうかがえる。

とは言え、ステンレススチールなどと比較すると、成形後の修正や加工が比較的容易な貴金属素材であったため、一定数の量産が可能であったのだろう。

【写真の時計】パテック フィリップ ゴールデンエリプス。Ref.3544。K14WG(32×33mmサイズ)。手巻き(Cal.23-300PM)。1970年代製。398万円。取り扱い店/MOTIF

【画像:ケース一体形のブレスレットや文字盤の状態を確認する(全6枚)

そんな中でも、本個体はケース一体型のブレスレットに至るまでホワイトゴールドを使用した贅沢な仕様となっている。このブレスレットは、バックルの留め具部分の位置をわずかにずらす以外にサイズ調整をする方法がなく、カットや延長が困難なことから、実質的に最初のオーナーのためだけに誂えられた“一点物”に近い性格を帯びている。ちなみに、今回取り上げている個体に関しては、腕回りは最大で約18cmまでとなっている。

ムーヴメントには薄型手巻きのCal.23-300PMを搭載。同社の中では比較的小ぶりかつ薄型で、薄型ドレスウオッチのラインナップを支えた優秀なムーヴメントであった。装飾や構造に関してもパテック・フィリップらしい、ぬかりのない美しい仕上がりだ。

見た目に関してはもちろんのこと、テンプの8ヵ所に設けられた偏心した重りを回転させて精度調整を行うジャイロマックステンプや、ブレゲヒゲを採用したフリースプラング方式を採用。加えて、微細な片振り調整を容易に行えるよう、偏心した頭の調整用ネジを備えた可動ヒゲ持ちなど、精度やメンテナンス性にもこだわっているのだ。

見た目こそごく普通のドレスウオッチだが、その細部には設計者や職人たちの並々ならぬ熱意が込められており、現在まで名作と語り継がれる資質を備えた時計であることは間違いない。気軽に手に取れる時計ではないが、ぜひその目で質感を確かめてみてほしい一本だ。

 

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文◎LowBEAT編集部/画像◎MOTIF

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