時計の裏ブタから機械をのぞく“シースルーバック”とは異なり、文字盤側、つまり普段は隠れているムーヴメントの“裏の構造”を大胆に見せる手法が“オープンワーク”と呼ばれるものだ。
そこには、ただ構造を見せるだけでなく、細部にわたるデザインもほこどされていることから、視覚で“時間のリズム”を味わうという楽しみ方もある。
当然、普段は隠れている部分を見せるのだから、ムーヴメントの仕上げもいっそう手が掛かる(そのぶんコストも掛かる)わけだが、加工技術などの進化もあって、今日こうしたオープンワークモデルは様々な時計ブランドから発表されている。
その多くがシンプルな3針モデルだが、なかには複雑機構をオープンワーク化して知的好奇心を満たしてくれるモデルがあったり、工芸品と言えるような芸術的な仕上がりを追求したモデルがあったりする。
そうした魅力的なオープンワークモデルを厳選した、ずばり“オープンワークウォッチ フェア”が現在、日本橋三越本店 本館6階 ウォッチギャラリー/cal.BARで開催中(〜7月1日まで)だ。
チャペック、アーミン・シュトローム、ペキニエ、クロノスイス、クドケといったブランドの、珠玉のオープンワークモデルの実機が直接目にすることができる。

チャペック。プラス・ヴァンドーム コンプリシテ スターダスト・コバルト。K18WG(41.8mm径)。5気圧防水。手巻き(Cal.SXH8)。世界限定13本(販売1点限り)。2200万円
先日、筆者もフェアにお邪魔してきたが、オープンワークの魅力や美しさを、実機に触れることで存分に堪能することができた。
地板や歯車の重なりによって生まれる立体感や陰影を緻密に計算して設計されたムーヴメントは、部品そのものの造形美を際立たせる、オープンワークならではの特徴と言えるだろう。
また、ブランドごとに異なるオープンワークへの哲学や、美しさを引き出すためのアプローチの違いを肌で実感できる、貴重な機会だった。
フェアは7月1日(火)まで行われているため、ぜひ立ち寄ってみてほしい。
■期間:〜2025年7月1日(火)
■会場:日本橋三越本店 本館6階 ウォッチギャラリー/cal.BAR
■主な展開メーカー:チャペック、アーミン・シュトローム、ペキニエ、クロノスイス、クドケほか
■お問い合わせ先:シェルマン 03-6225-2134(店舗携帯 090-8344-1416)