スイスの老舗時計ブランド“Ollech&Wajs(オレッヒ&ワイス)”が、20数年の時を経て日本に再上陸。新作のツールウオッチ“M-110”が2025年8月に発売される。
1956年に、ジョセフ・オレッヒとアルベルト・ワイスにより、スイス・チューリッヒで創立した“オレッヒ&ワイス”。“タフで高品質な時計”を製造する姿勢を貫き、64年に世界の一流時計ブランドに先駆けて、減圧ベゼル付き1000m防水モデル“カリビアン 1000”を発表。ダイバーズウオッチ史に名を刻んだ。
同メーカーの実用時計は、頑丈さと耐久性、高い品質が評価され、世界中のレンジャーやパイロット、ダイバーなど、各分野のエキスパートから多大な支持を得る。60年代後半にはベトナムに従軍するアメリカ軍兵士の間で人気を博し、PX(軍専用の売店)で販売されると、最盛期には年間1万本の販売実績を誇った。
その後、他のスイス時計ブランドと違わず、クォーツショックの影響で事業は低迷するが、90年代後半に機械式腕時計の再評価が高まると、見事に復活を果たした。現在は創業以来続く美学と哲学に、最新の技術を融合させた新たなモデルを生み出している。

■Ref.M-110AS。SS(39.5mm径)300m防水。自動巻き(Cal.O&W M-110AS)。28万6000円
Ollech&Wajs(オレッヒ&ワイス)
M-110AS
新作“M-110”は、同ブランドが誇るミリタリーとダイビングの専門知識を活かしながら、これまでのモデルを現代的視点でリファインした、タクティカルツールウォッチとなっている。
中でも目を引くのが、無通信期間マーカーだ。軍事や遭難時など、通信が制限された状況で、遭難信号の発信と受信時に確認できる設計がされており、グレーを基調にした文字盤外周に、15分毎に3分間の設定で配されている。
さらにベゼルに施されている、東西南北を示す方位マーカーと360度コンパスの刻印も特徴的だ。アウトドアウオッチに見られる機能で、磁気コンパスがなくても方位を確認することができる。アメリカ陸軍レンジャー・ハンドブックにも、腕時計を使って方位を知る方法が記されているという。
【画像】仕様違いで2機種、オレッヒ&ワイス新作“M-110”のデザインを見くらべる
ケースは、64年の“アクアガード”や65年の“アーリーバード”といった、初期の名作モデルのスキンダイバーケースを復活させたクラシカルな風貌で、同ブランドのレガシーを感じさせる。
裏ブタは堅牢なスクリューバックで、300m防水仕様となっている。
心臓部には自社工房で独自にモディファイした自動巻き“Soprod Cal.P092”を搭載。デイト表示とハック機能付きで、毎時2万8800 振動、約44時間のパワーリザーブを備えている。ムーヴメントのメインプレートには“Ollech & Wajs Zurich 1956”、ローターには“OW”の刻印があしらわれている。
ヘンプ×レザーベルト仕様の“M-110 AS”の印象的なベルトには、ミリタリーグリーンの二重織りファブリックを採用。スイス陸軍のミルスペックに準ずる、耐久性の高い二重織りヘンプを使用し、もともとはスイス軍のバックパックなどの軍用製品に使用されていた素材だ。
コットンよりも弾力性があり、かつ軽量な快適な素材だ。裏地にはイタリア製ソフトレザーを使用し、高級感も兼ね備えている。

■Ref.M-110M。SS(39.5mm径)300m防水。自動巻き(Cal.O&W M-110AS)。31万9000円
ヘンプ×レザーベルト仕様のほか、ステンレススチール製メッシュブレスレット仕様の“M-110M”もラインナップ。メッシュブレスレットは、手磨きによる仕上げを施しており、重厚さや高級感を備えつつ、ミリタリーをルーツとするブランドらしい精悍な趣きをもたらしている。クラスプは“O&W”の刻印入りで、サイズ調整可能な機能を備える。
なお価格は、ヘンプ×レザーベルト仕様は28万6000円、メタルメッシュブレスレット仕様は31万9000円となる。
【画像】日本再上陸の実用時計、“オレッヒ&ワイス”の新作“M-110”を別アングルで見る
【問い合わせ先】
石岡商会
TEL.03-5396-4008
文◎Watch LIFE NEWS編集部
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