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【小ぶりな36mm径だけど存在感抜群!】フランスの時計メーカーの本格ダイバーズウオッチ

アンティーク時計専門サイト「LowBEAT Marketplace」には、日々、提携する時計ショップの最新入荷情報が更新されている。
そのなかから編集部が注目するモデルの情報をお届けしよう。


リップ
ノーティック スーパーコンプレッサー

今回紹介するのは1960年代に、フランスの時計メーカー“リップ”が製造したノーティック スーパーコンプレッサーだ。
リップは1867年にフランス東部の街、ブザンソンで創業した時計メーカーで、現在においても“ノーティック・スキー”や“マッハ”などを製造、販売している。かつては自社でムーヴメントの開発製造も行っており、スイスやドイツとは異なる、独特の設計のムーヴメントを製造していた。
また、1940年代後半に製造した手巻きムーヴメントは、当時共産圏にあったチェコスロバキアの腕時計製造にも影響を与えるほどの生産性と完成度の高さを誇っていた。ほかにもイギリスの元首相ウィンストン・チャーチルへ贈呈されたレクタンギュラー型のT18も同社を代表するモデルとして時計史に名を刻んでいる。

【写真の時計】リップ スーパーコンプレッサー。SS(36mm径)。自動巻き(Cal.R153)。1960年代製。38万円。取り扱い店/キュリオスキュリオ

【画像:特殊構造の裏ブタやEPSA社の刻印を見る(全5枚)

リューズが二つ付いた独特なケースは“スーパーコンプレッサー”と呼ばれ、アンティーク愛好家の間でも高い人気を集めている。ただし、リューズが二つ付いているすべてのケースがスーパーコンプレッサーケースと呼ばれるわけではない。正式には、防水ケースの製造を得意としていたEPSA社が製造したケースであり、水圧がかかればかかるほど裏ブタがケースに押し付けられ、気密性が高まる構造を採用しているものを“スーパーコンプレッサーケース”と呼ぶのだ。

しかし、製造から半世紀以上が経った現在では、裏ブタやリューズパッキンの劣化が考えられるため、ダイビングに耐えうる防水性は期待できない点に注意したい。

ムーヴメントには自動巻きのCal.R153を搭載しており、耐衝撃装置にはインカブロックを採用している。また、2時位置のリューズ操作でインナーベゼルも問題なく操作できる状態だ。

ケースのコンディションに目を向けると、多少の小傷はあるものの、全体的にエッジが残っており、オリジナルのシェイプを保っている。ブラックミラーの文字盤は、経年変化によるブラウンチェンジが見られるものの、目立つ傷は見られない。

近年では、このスタイルをオマージュし復刻したモデルも増えているが、ぜひオリジナルの時計にも注目してみてほしい。アンティークならではのバランス感や凝縮感は、マニア必見の仕上がりだ。

 

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文◎LowBEAT編集部/画像◎キュリオスキュリオ

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