アンティーク時計専門サイト「LowBEAT Marketplace」には、日々、提携する時計ショップの最新入荷情報が更新されている。
そのなかから編集部が注目するモデルの情報をお届けしよう。
セイコー
クレドール KZH 014
今回紹介するのは、1980年代に製造されたセイコー クレド―ル KZH 014だ。ウオッチデザインの巨匠、ジェラルド・ジェンタが手掛けたクレドール ロコモティブを思わせるようなブレスレットデザインが特徴的だ。

【写真の時計】セイコー クレドール KZH 014。Ref.9661-5000。SS(33mm径)クォーツ式(Cal.9661)。1980年代製。取り扱い店/BQ
【画像:ブレスレットの造形やケースの仕上げなどを見る(全5枚)】
スリムかつコンパクトなフォルムでありながら、楕円形のガラス風防や14金YG製ベゼルの立体的な造形が、力強さを感じさせる。ムーヴメントはクォーツ式のため、比較的細身の針が取り付けられているが、剣を思わせるような根元を絞ったフォルムが、造形全体に奥行きをもたらしている。どこか乗り物を連想させるディテールが、一体型ブレスレットと組み合わさることで、よりいっそうスポーティーな印象を際立たせている。
ケース構造に注目すると、防水性の高いスクリューバック式の裏ブタとネジ込み式のリューズを採用している。デザインだけでなく、機能面でもスポーツユースを想定していた当時のデザイナーのこだわりが感じられるポイントだ。
特徴的なブレスレットには無垢のコマが採用されており、製造技術の向上を感じさせる。加えて、ケースとブレスレットには繊細な面取り加工が施されており、肌やシャツを傷つけにくく、装着感にも優れている点にも注目したい。ダブルロック式のコンパクトなバックルも、スポーツユースを想定した機能性と、ラグジュアリーなデザインを両立させた、こだわりの構造だ。
ムーヴメントには、精度向上を目的として水晶振動子を二つ使用した、ツインクォーツ式のCal.9661を搭載。製造当時は年差レベルの精度を誇った高性能ムーヴメントだ。クォーツ式でありながらも、6石の軸受けが使用されており、精度を追求するとともに耐久性も重視していたことがうかがえる。
ラグジュアリーなデザインだけでなく、実用的な性能を備えたクレドールのラグスポ風ウオッチ。ブレスレットのような軽やかな装着感は、マニア必見の仕上がりだ。
【LowBEAT Marketplaceでほかのセイコーの時計を探す】
文◎LowBEAT編集部