アンティーク時計専門サイト「LowBEAT Marketplace」には、日々、提携する時計ショップの最新入荷情報が更新されている。
そのなかから編集部が注目するモデルの情報をお届けしよう。
ユニバーサル・ジュネーブ
ポールルーターサブ
トリコンパックスを筆頭にクロノグラフで有名なユニバーサル・ジュネーブ。その名をさらに広めたのが薄型自動巻き時計の“ポールルーター”だ。初出は1954年のスカンジナビア航空のアメリカ便就航を記念してリリースされたモデルで、その名前の由来は、北極点を通過するノースポールルートをたどっていたためとされている。
ジェラルド・ジェンタによるデザインと、マイクロローター式の自動巻きで有名なシリーズだが、多くの派生モデルが展開されており、そのひとつに防水性を高めたダイバーズウオッチ仕様があったことはご存じだろうか。
それが、今回紹介するポールルーター サブだ。上品で優雅な印象を与えるオリジナルのポールルーターとは打って変わって、マットなブラック文字盤にホワイトのインデックス、シャープな針とラグの造形が武骨な雰囲気を漂わせている。

【商品情報】ユニバーサル・ジュネーブ。ポールルーターサブ。SS(37mm径)。自動巻き(Cal.1-69)。1960年代製。79万8000円。取り扱い店/ジャックロード
しかし、ケースを側面から見た際には、ポールルーター特有の腕に沿った、装着性の高い滑らかにカーブしたラグが姿を現すのだ。このほかにも、夜光塗料の面積を広げた幅広なドーフィン針に、赤色のU字ロゴとクロスラインなど、ポールルーターのエッセンスを残しつつ、ダイバーズウオッチらしい意匠へと昇華させている。
ムーヴメントはユニバーサル・ジュネーブが得意としたマイクロローターのCal.1-69を搭載。このムーヴメントは当時の腕時計としては非常に長い、約57時間のパワーリザーブを実現している点にも注目だ。薄型のムーヴメントは、ダイバーズウオッチとしてはスリムなケースラインの実現にひと役買っている。
スタイリッシュなデザインは1960年代に製造されたとは思えないほど洗練されており、いまなお輝き続ける名作ダイバーズウオッチと言えるだろう。
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文◎LowBEAT編集部/画像◎ジャックロード