アンティーク時計専門サイト「LowBEAT Marketplace」には、日々、提携する時計ショップの最新入荷情報が更新されている。
そのなかから編集部が注目するモデルの情報をお届けしよう。
オメガ
スモールセコンド
今回紹介するのは、1940年代に製造されたオメガのスモールセコンド付き3針モデルだ。具体的なモデル名やシリーズ名は存在しないものの、アイコニックなインデックスや美しいラグが印象的である。深みのある色合いをもつケースは14金ピンクゴールド製で、温もりを感じさせる風合いが魅力的だ。

【写真の時計】オメガ スモールセコンド。K14PG(27mm径)。手巻き(Cal.26.5T3)。1940年代製。34万円。取り扱い店/黒船時計古酒店
ムーヴメントには、30mmキャリバー登場前の1929年頃から49年頃までの約20年間にわたって採用されていた、オメガを代表する手巻きCal.26.5T3を搭載している。そのなかでも、この個体に搭載されているものは、耐震装置のインカブロックを備えているため、比較的後年に製造されたモデルであると推察される。非防水ケースであるため使用シーンを選ぶものの、現在においても実用的な性能を備えたムーヴメントだ。
そして何より、この個体の魅力的な点は27mm径の小径ケースにある。凝縮感のある文字盤と、優雅に伸びたラグが腕元をさりげなく彩ってくれる。金ケースならではの存在感が控えめであるため、ビジネスシーンでも違和感なく使用できるだろう。また、女性でも自然に着用できるサイズ感のため、シェアウオッチとして使えるのも嬉しいポイントだ。
文字盤全体に焼けが見られるものの、大きな変色や腐食は見られない。また14金PG製のケースは、ポリッシュによるエッジの落ちと、裏ブタの打痕が見られるが、大きな変形やクラックは見られない。年代相応の経年変化が起きているものの、比較的良好なコンディションを保っている。
6時位置のスモールセコンドとブランド表記のみのシンプルな文字盤の組み合わせは、一見すると玄人向けにも思えるが、アンティーク初心者にもぜひ手に取ってほしいデザインだ。時計の歴史や特徴を表すモデル名がないからこそ、先入観をもたず、オメガ本来の時計作りを味わえるのではないだろうか。
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文◎LowBEAT編集部/画像◎黒船時計古酒店