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60年代後半に一世を風靡したセイコー腕時計【元祖セイコー 5スポーツ】チェッカーベゼルとスポーティーな色使いに注目!

アンティーク時計専門サイト「LowBEAT Marketplace」には、日々、提携する時計ショップの最新入荷情報が更新されている。
そのなかから編集部が注目するモデルの情報をお届けしよう。


セイコー
5スポーツ

今回紹介するのは1960年代後半に製造された、セイコー 5スポーツだ。

当時加速していたスポーツブームに応えつつ、若者たちをターゲットに製品開発が行われていたセイコー 5スポーツは、目を引くチェッカー柄のベゼルをはじめ鮮やかでスポーツ感にあふれるカラーリングを採用したスタイリングが特徴的だ。さらに、性能面でもスポーツユースを意識しており、防水性の高いスクリューバック式のステンレススチールケースと頑丈なハードレックス風防を組み合わせることで、従来のモデル以上の耐久性を確保していたのだ。

この個体では、針の夜光部分に腐食が見られるものの、文字盤自体の腐食や変色は起こっていない。また、ハードレックス風防やステンレススチールケースには目立つ傷や打痕が見られず、比較的良好な状態を保っている。

【写真の時計】セイコー 5スポーツ。Ref.5126-8120。SS(40.5mmサイズ)。自動巻き(Cal.5126)。1960年代製。12万1000円。取り扱い店/喜久屋商事 時計部

 

【画像:独特なケース形状など別のアングルを見る(全4枚)

 

この個体は亀戸に工場を構えていた第二精工舎亀戸工場で製造された個体で、リバーサー式の巻き上げ機構を採用したCal.5126を搭載している。5126は、準高級機として位置づけられていた51マチックウィークデーターに搭載されていたCal.5606の手巻き機能や緩急針微動調整装置をオミットした廉価盤として製造されていたムーヴメントだ。ただ毎時1万9800振動で動作する大径のテンプは、熱膨張による変形が起こりにくい4本アミダが採用されており、廉価なセイコー5でも精度を追求していたことがうかがえる。

また、香箱からの動力を伝達する輪列や自動巻き機構のパーツレイアウトを観察すると、後のキングセイコーやロードマチックに採用されたCal.52系との類似点が多く、このムーヴメントの基本設計がいかに優れていたかが見て取れる。

注意点として、手巻き機能のないムーヴメントであるため、使用前に十分に振ってゼンマイを巻き上げる必要がある。特にデスクワークが多い人は、巻き上げ不足で精度が出ない場合や停止してしまう場合があるため要注意だ。また、経年による劣化や金属疲労によって自動巻きローターの固定ネジが破損する恐れがあるため、振動の多い自転車やバイクに乗る際は必ず手首から外すことをおすすめしたい。

当時は比較的廉価なモデルでありながらも、その実、高いクオリティを実現していたオリジナルの5スポーツ。国産時計が気になる人は要チェックの1本だ。

 

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文◎LowBEAT編集部/画像◎喜久屋商事 時計部

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