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【大音量の機械式アラームウオッチ?】34mmの小径ケースながら“爆音”を生むヴァルカンのクリケット

アンティーク時計専門サイト「LowBEAT Marketplace」には、日々、提携する時計ショップの最新入荷情報が更新されている。
そのなかから編集部が注目するモデルの情報をお届けしよう。


ヴァルカン
クリケット

今回取り上げるのは、1940年代に製造されたアラームウオッチの名機、ヴァルカンのクリケットだ。

アプライドのローマン数字と、ドットインデックスの組み合わせた文字盤が特徴的。実用性を重視してアラーム設定用の目盛りが外周部に印刷されている点にも注目だ。ステンレススチール製のケースを採用しているが、非防水の構造であるため、使用する際には注意が必要だ。

1947年、世界初の実用アラーム腕時計として誕生したヴァルカンのクリケット。ヴァルカンの当時の経営者ロベール・ディティシャイムは、物理学者やエンジニアを動員し、5年の歳月をかけて“腕に着けていても目が覚める音量”を追求して開発を進めていたとされてる。しかし、34mm径ほどの小さなケースサイズでは、音量を大きくすることやアラームの持続時間も確保することが非常に困難であったのだ。

そこで同社は、ムーヴメントとケース構造のそれぞれを改良することでこの問題を解決し、実用化へとこぎつけたのだ。ムーヴメントにおいては、時計としての機能をつかさどるゼンマイと、アラーム機能をつかさどるゼンマイをそれぞれ独立させることで、それぞれの持続時間を確保。ケース構造においては裏ブタを二重構造にして空間を設けることで、音を増幅させるという画期的な構造を生み出したのだ。

この音を増幅させるための構造は、コオロギが鳴く際に左右の“翅(はね)”をこすり合わせ、その振動を翅にある“鏡(きょう)”と呼ばれる薄い膜で増幅させて大きな音を出す構造に範を得たとされており、ヴァルカンはこの構造を研究・応用して裏ブタのピンを叩き、その振動を二重構造の裏ブタで増幅させる構造を設計したというエピソードが残されている。

こうした試行錯誤の末に完成したアラームウオッチは、コオロギの鳴き声にヒントを得たことからクリケットの名をあたえられたのだ。

【写真の時計】ヴァルカン クリケット。SS(34mm径)。手巻き(Cal.120)。1940年代製。23万8000円。取り扱い店/WatchTender銀座

【画像:二重構造の裏ブタやアラーム機構を備えたムーヴメントの状態を見る(全6枚)

また、クリケットは歴代アメリカ大統領にも愛用された逸話も残されており、同社を象徴するモデルでもある。ハリー・S・トルーマンはクリケットを最初に手にした大統領であり、1953年には彼が退任する際にホワイトハウスの記者クラブから贈呈され、その後も愛用していたというエピソードが残されている。このことがきっかけで、ヴァルカンは“新大統領が就任するたびにクリケットを贈る”という伝統を確立することとなったのだ。

ムーヴメントには、特徴的なアラーム機構を備えた自社製のCal.120を搭載。リューズを上に巻くとアラーム用ゼンマイ、下に巻くと時計駆動用ゼンマイが巻かれる構造が特徴的だ。通常の手巻き時計とは異なり、リューズが空転するラチェット機能がないため、ゼンマイを巻く際にクセがあるため慣れが必要かもしれない。

2時位置の2段構造で押し込めるボタンで操作の切り替えやアラームのオンオフが可能で、ボタンを押し込んでいない状態でゼンマイの巻き上げ。そのまま奥までリューズを引き出すと時刻合わせ。リューズを押し込んだ状態でボタンを1段押し込むとアラームオフ、2段押し込むとアラーム時刻の設定が可能だ。また、ボタンを押し込んだ際にリューズが飛び出てくるが、これを押し込むと、2時位置のボタンがリセットされ、押し込んでいない状態に戻るのだ。

アラームを鳴らす際は、上記の手順でアラーム時刻を設定し、リューズを奥まで押しこんでボタンが押し込まれていない状態にすることでアラームオンの状態にすることができる。

アラーム音は爆音そのもの。フルサイズのベル式の目覚まし時計にも匹敵する迫力であるため、重要な場面で不意にアラームが鳴らないよう、アラームのゼンマイを巻かないか、アラームをオフにしておくことをおすすめしたい。

バイオミミクリーの先駆けとも言える開発エピソードや合理化されたムーヴメント設計、歴史的逸話など語るに尽きないエピソードが残されたヴァルカンのクリケット。一風変わったアンティークウオッチを探している人には、ぜひチェックしてほしい逸品だ

また、クリケットは歴代アメリカ大統領にも愛用された逸話も残されており、同社を象徴するモデルでもある。ハリー・S・トルーマンはクリケットを最初に手にした大統領であり、1953年には彼が退任する際にホワイトハウスの記者クラブから贈呈され、その後も愛用していたというエピソードが残されている。このことがきっかけで、ヴァルカンは“新大統領が就任するたびにクリケットを贈る”という伝統を確立することとなったのだ。

ムーヴメントには、特徴的なアラーム機構を備えた自社製のCal.120を搭載。リューズを上に巻くとアラーム用ゼンマイ、下に巻くと時計駆動用ゼンマイが巻かれる構造が特徴的だ。通常の手巻き時計とは異なり、リューズが空転するラチェット機能がないため、ゼンマイを巻く際にクセがあるため慣れが必要かもしれない。

2時位置の2段構造で押し込めるボタンで操作の切り替えやアラームのオンオフが可能で、ボタンを押し込んでいない状態でゼンマイの巻き上げ。そのまま奥までリューズを引き出すと時刻合わせ。リューズを押し込んだ状態でボタンを1段押し込むとアラームオフ、2段押し込むとアラーム時刻の設定が可能だ。また、ボタンを押し込んだ際にリューズが飛び出てくるが、これを押し込むと、2時位置のボタンがリセットされ、押し込んでいない状態に戻るのだ。

アラームを鳴らす際は、上記の手順でアラーム時刻を設定し、リューズを奥まで押しこんでボタンが押し込まれていない状態にすることでアラームオンの状態にすることができる。

アラーム音は爆音そのもの。フルサイズのベル式の目覚まし時計にも匹敵する迫力であるため、重要な場面で不意にアラームが鳴らないよう、アラームのゼンマイを巻かないか、アラームをオフにしておくことをおすすめしたい。

バイオミミクリーの先駆けとも言える開発エピソードや合理化されたムーヴメント設計、歴史的逸話など語るに尽きないエピソードが残されたヴァルカンのクリケット。一風変わったアンティークウオッチを探している人には、ぜひチェックしてほしい逸品だ。

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文◎LowBEAT編集部/画像◎WatchTender銀座

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