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まだ手が届く唯一の傑作ダイバーモデル!?【SEIKO(セイコー)150mダイバー】全3世代の特徴と実勢相場|性別の垣根を超える腕時計 No.046

「初心者におすすめのアンティーク時計」連載もついに最終回。先週の記事では人気ジャンルからミリタリーを取り上げたが、第6回(最終回)のテーマは、防水を追求して行き着いた最強ジャンル“ダイバーズ”だ。

ロレックスのサブマリーナーやブランパンのフィフティ・ファゾムスなど、当時の意匠とほぼ姿を変えずに現代まで続く歴史的名作ダイバーズのほとんどは100万円以上、数百万円クラスまで高騰しており、初心者にはとても手を出せないのが現状だ。

そんななか、手が届く価格帯で歴史と信頼性、バリエーションの広さを兼ね備えるシリーズが“セイコーダイバー”だ。初の本格的な国産ダイバーズにして、一時は世界最高級のスペックを誇った伝説的シリーズのなかでも今回は、3世代にわたって幅広く展開された150mダイバーを紹介する。

【写真で比較】どれが好み? “150mダイバー”全シリーズを見比べる


【150mダイバー 1stモデル】

「諏訪精工舎が手掛けた“国産初”のダイバーズ」

■Ref.6217-8000。SS(38mm径)。自動巻き(Cal.6217A)。1965年製。実勢相場35万円〜70万円程度

非ネジ込み式リューズ、両方向回転ベゼル、強度の低い有機ガラス性風防などダイバーズウオッチ黎明期ならではの仕様が特徴的な国産初ダイバーズ

ムーヴメントには、手巻き機能をもたない自動巻きのCal.6217Aを搭載。毎時1万8000振動のロービート機でありながらも、マジックレバーによる優れた巻き上げ効率によって安定したトルクを供給し、優れた安定性を誇った名キャリバーだ。

この初代モデルは初期仕様のRef.6217-8000と後期仕様のRef.6217-8001が製造されたが、製造期間は65年から68年と非常に短く、150mダイバーシリーズのなかでは最も実勢相場が高い

【比較写真】リューズの大きさの違いに注目!初期と後期仕様を見比べる


【150mダイバー 2ndモデル】

「耐震性とデザインが進化!伝説の“植村ダイバー”」

■Ref.61005-8110。SS(44mm径)。自動巻き(Cal.6105B)。1975年製。実勢相場20万円〜60万円程度

前期、後期で仕様が大きく異なる2ndモデル。冒険家の植村直己が愛用し、実際に北極圏1万2000kmの距離を犬ぞりで突破した際に着用していたのは写真の後期仕様“Ref.6105-8110”である。

約44mmの後期型に比べ、前期型は約41mmとひと回り小さくシンプルかつシャープなフォルムが特徴。後期の植村ダイバーは幅が広くやや丸みを帯びたフォルムであることに加え、4時位置にケース一体型のリューズガードを備え、簡易的なリューズロック機能を備えるようになる。

ダイアショック機構を備えることで耐震性を高めた6105系キャリバーを搭載。前期モデルはハック機能のないCal.6105A、後期モデルにはハック機能を備えたCal.6105Bが採用された

【ディテール写真】“植村ダイバー”に備えられた簡易的なリューズロック機能


【150mダイバー 3rdモデル】

「現代的なケース構造に進化!手頃な相場も魅力の第3世代」

■Ref.6306-7001。SS(44mm径)。自動巻き(Cal.6106A)。1979年頃製。19万8000円(実勢相場10万円〜30万円程度)/(問)セコンド時計店

丸みを帯びたケースのフォルム、滑り止めが2段にデザインされたベゼルの組み合わせが甲羅を背負った亀を彷彿とさせることから、海外では“タートル”の通称で知られる第3世代。

ネジ込み式リューズを備えて機密性を強化。ハック機能が付いた21石のCal.6306Aを搭載した国内仕様と、ハック機能をもたない17石のCal.6309Aを搭載した海外仕様が存在する。

同シリーズ初となるドットインデックスが採用されたほか、全体的にかなり近代的なデザインに進化しているため、オールドダイバーの雰囲気は薄くなっている

【ディテール写真】特徴的な2段ベゼルとネジ込み式リューズを側面から見る


初の本格的な国産ダイバーズにして、一時は世界最高級のスペックを誇った伝説的シリーズのセイコーダイバー。なかでも76年発の3rdモデルは現代的なデザインと機能性、手頃な相場が魅力で、ビギナーにも強くおすすめできる。

ただ購入時の注意点として、海外製の文字盤やベゼル、針などのアフターパーツを使用した個体も数多く流通しているため、オリジナルの仕様にこだわる人は気を付けてほしい。

 

【「性別の垣根を超える腕時計」過去連載記事】

■“10万円以下の官給品”は絶滅寸前? 【米軍・英軍制式採用】ハミルトンほか、いま手に入れるべき本物の軍用時計|性別の垣根を超える腕時計 No.045

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文◎市村 信太郎

音楽・教育業界を経て編集者に。時計、メイク、ファッションほかレディース・メンズの垣根を超えたジェンダーレスなスタイルを体現し、その魅力を伝えるべく奮闘中。Yahoo!ニュース連載「性別の垣根を超える腕時計」(毎週日曜)。インタビュー取材記事『Time Files』(不定期日曜)。

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