TENNET(テネット)はシンガポールで創設された日本未上陸の独立系マイクロウオッチブランドである。
創業者のロイス・ウィーは法律家としてキャリアをスタートさせ、政府機関やテクノロジー業界でも経験を積んできた人物で、幼少期から時計収集に情熱を注いでいたバックグラウンドをもつ。
パテック・フィリップの名作“ノーチラス”の広告を目にしたことをきっかけに、時計が単なる時間を示す道具ではなく、芸術、文化、美」を体現する存在であると気づいたそうで、コレクターとしての情熱は、自身の理想とする時計をデザインしたいという想いへと発展していった。

その想いが形となったのがパンデミックの時期であった。ブランド構想から正式ローンチ(2023年11月)まで約2年をかけて、テネットが誕生することになる。
テネットの時計は、タイムレスでクラシックなデザインに、現代的な素材と製法を融合させている。
ロイス自身がすべてのモデルをデザインしており、時計における微細なディテールこそが他との違いを生むと信じているそうだ。今回はシンガポールより、テネットのコレクションから二つのモデルを紹介したい。
【画像】プロ仕様300m防水モデルなど2機種、TENNET(テネット)の時計を見くらべる

TENNET(テネット)
ソマセット
ソマセットはテネットのデビューモデルであり、“クラシックと未来の融合”を体現したモデルである。
38mmの316Lステンレススチールケースにフレアラグを備え、往年の象徴的なタイムピースに見られるホーンラグを想起させる造形が特徴となっている。
サンバースト仕上げの文字盤には、複数の質感と形状を組み合わせたセクター構成が採用され、デルタ形状の時針と分針、ティアドロップ型の先端を持つ秒針が、文字盤の12・3・6・9時位置インデックスの造形と美しく呼応する。
リューズのサイド部分は“ドミノ”形状となっており、巻き上げ時の操作性を高めている。側面に入れられた赤いドットは、ブランドルーツであるシンガポールを象徴している。

ケースサイズは38mm、厚さ9.5mmの316Lステンレススチールケースで、風防はサファイアクリスタル製。200m防水を備え、ムーヴメントはセリタの手巻きキャリバー、 SW210-1b D4 を搭載している。
5色展開で、販売価格は約18万7000円で、専用に製作されたレザーベルトが付属する。

TENNET(テネット)
アルゴノート
次に紹介する、アルゴノートは、テネットのブランドアイデンティティを維持しながら、ダイバーズウオッチを再解釈したモデルである。
雄大な海の神秘を思わせるマザリンブルーのサンレイダイアルを採用し、ティアドロップ型の針とインデックスが艶やかな仕上げで統一されている。
残りのアワーマーカーは丸みを帯びたピップ型で、秒針先端とシームレスに調和。6時位置には“Singapore”の文字が誇らしげに刻んだ。

ケースは904Lステンレススチール製で、直径40mm、厚さ12mm。サファイアクリスタル風防とスクリューダウンクラウンを装備し、防水性能は300mを備える。リューズのサイド部分は“ドミノ”形状となっており、巻き上げ時の操作性を高めている。
ムーヴメントは自動巻きのSellita SW200-1bを搭載。904Lステンレススチールブレスレットが付属し、2025年10月末現在、特別予約価格は約18万7000円(通常価格は約23万4000円)である。
【画像】プロ仕様300m防水、本格ダイバーズウオッチ“アルゴノート”を別アングルから見る
》TENNET(テネット)
公式サイト
https://tennet.watch
文◎William Hunnicutt
時計ブランド、アクセサリーブランドの輸入代理店を務めるスフィアブランディング代表。インポーターとして独自のセレクトで、ハマる人にはハマるプロダクトを日本に展開するほか、音楽をテーマにしたアパレルブランド、STEREO8のプロデューサーも務める。家ではネコのゴハン担当でもある。
https://www.instagram.com/spherebranding/
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