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【グランドセイコーらしからぬケースデザインに注目】近未来的なケース一体形ブレスレットが魅力的なスペシャルの名を冠した61GS

アンティーク時計専門サイト「LowBEAT Marketplace」には、日々、提携する時計ショップの最新入荷情報が更新されている。
そのなかから編集部が注目するモデルの情報をお届けしよう。


セイコー
グランドセイコー スペシャル Ref.6156-8040

今回紹介するのは、1974年頃に製造されたグランドセイコー スペシャル、Ref.6156-8040だ。本モデルは、1968年に製造が開始されたCal.6145/6146を搭載する通称“61GS”をブラッシュアップしたモデルであり、通常のグランドセイコー以上に高精度な調整が施されたモデルとして販売されていた。

本モデルは、最上級モデルであるV.F.A.(Very Fine Adjusted)に次ぐ特別な精度調整が施された製品で、通常のグランドセイコーが満たすGS規格よりもさらに厳しいGSスペシャル級規格をクリアしている。文字盤6時位置に配されたゴールド色のアプライトロゴや“SPECIAL”の表記からも、その特別さが感じられるだろう。

今回紹介する個体は、通常のレザーベルト仕様とは異なり、ケース一体形ブレスレットの装着を前提としたフーデッドラグを採用している点が最大の特徴だ。ケースや文字盤のデザインは、同社デザイナーである田中太郎氏によって確立されたセイコースタイルを踏襲しており、2次元曲面や平面によって構成された、多面的かつ立体感のある造形が魅力的である。

【写真の時計】セイコー グランドセイコー スペシャル。Ref.6156-8040。SS(35mm径)。自動巻き(Cal.6156)。1974年製。35万8000円。取り扱い店/WTIMES

【画像:文字盤やブレスレットの造形をさまざまなアングルから見る(全5枚枚)

文字盤の良好なコンディションはもちろんのこと、オリジナルのシェイプをしっかりと保ったケース、さらにサビや摩耗によって破損しやすく、現存数の少ない純正ブレスレットが装着されている点は見逃せないポイントだ。

1960年代頃の国産時計に採用されていたステンレススチール製ブレスレットは、ステンレス板を巻いて成形した巻きブレスレットが主流であった。しかし、60年代後半から70年代にかけては、無垢材を用いたブレスレットが多用されるようになっていく。一方で、無垢材を用いたブレスレットに最適な材質や構造、製造方法についてはまだ発展途上であったため、現代ではサビや摩耗による破損によって失われてしまった個体も少なくない。

ムーヴメントには、先に述べたとおり61GSスペシャル専用に調整が施されたCal.6156を搭載。毎時3万6000振動(毎秒10振動)という高い振動数により、優れた等時性を実現している。加えて、巻き上げ効率に優れたマジックレバー式の自動巻き機構を採用することで、ゼンマイの巻き上げ不足によるトルク変動を抑え、安定した精度を保っていた。

また、セイコー5やセカンドダイバーに搭載された通常のCal.61系とは異なり、グランドセイコー専用として手巻き機能が追加されている点も特徴的だ。この仕様は先代のCal.6145/6146にも採用されており、日常使用における実用性という点でも十分な完成度を誇る。

もっとも、製造から半世紀以上が経過した現在では、適切な整備や定期的なメンテナンスが施されていない個体も少なくない。長期間の使用によって各部が摩耗し、当時の性能を維持できている個体は徐々に減少しつつある。特にハイビート仕様の61系は、高精度を実現するために高トルクのゼンマイや非常に重いローターを採用しており、自動巻きローターのベアリング周辺に摩耗やガタが生じやすい傾向がある。定期的なオーバーホールを欠かさないよう注意したいところだ。

そのため、本モデルの購入を検討する際には、しっかりと整備された個体、もしくは信頼のおける時計店で取り扱われているものを選ぶことを強く推奨したい。また、61GSスペシャルは経年によって文字盤に変色が生じやすいという特徴があるため、購入時には文字盤のコンディションや書き換えの有無を必ず確認しておきたい。あわせて、水気や湿気、紫外線といった、文字盤の劣化につながる外的要因を避けた保管を心がけることをおすすめする。

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文◎LowBEAT編集部/画像◎WTIMES

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