
数万円で買える国産ヴィンテージ第5弾は“スカイライナー”を取り上げる。
7月に書いた記事に『【えっ、数万円には見えない】60年代らしい凝った純正ブレスが際立つ、この古くて新しい感覚がヴィンテージセイコーのおもしろさ!』と題して、スカイライナーのブレスレットモデルを取り上げているが、今回はその後継機にあたる個体だ。
まずはスカイライナーについて触れると、発売は1961年。60年に発売された高級機のライナーをベースとしつつ、ムーヴメントの薄さを生かし、性能に直接関係しない部品の仕上げを簡素化することで量産化。当時の若年層でも手に届く価格帯を実現したコレクションだ。デザインは極めてシンプルなものが多いが、角形モデルや少し大振りでモダンなケースを備えたモデルなど、バリエーションも豊富に揃う。
そしてこの個体は、Cal.6102を搭載し防水面でも強化されたスクリューバックのケース構造を備えている点が特徴。ただ不思議なことにこの個体には裏ブタにリファレンスナンバーや製造番号が刻印されていない。

一説には、時計修理技能検定の実技試験に用いられたものではないかと考えられているらしい。もちろん公式な情報として出されたものではないため真偽のほどはわからないが、市販モデルにあるはずのケースのリファレンスやシリアル番号が無いことや、クラウンやシチズンホーマー同様に、当時安定した普及機でもあることからムーヴメント的にも複雑すぎない。そのため題材としてはちょうどよくヴィンテージセイコーの愛好家からは検定用と認識されている知る人そ知る、そんな個体なのだ。
それにしてもこの個体。極めてシンプルなデザインで端正な顔立ちをしている。シルバーダイアルに添えられたアプライドのバーインデックス天面は、パッと見た感じではわからないがブラックプリントを施すことで溶け込みすぎないような配慮もうかがえる。しかも裏ブタはスクリューバック。スーツスタイルなどに合わせるクラシックな時計を探している人におすすめしたいヴィンテージである。
セイコー スカイライナー。SS×真鍮(35.5mm径)。手巻き(Cal.6102A)。1960年代製。8万8000円
協力◎JAPAN VINTAGE WATCH SHOP
https://lowbeat.jp/jvw-shop/year/1960/lb-260025/

